日本人2人殺害、男を拘束=経営巡るトラブル―中国・大連 2025年06月03日 15時36分

【北京時事】中国遼寧省大連市の警察当局は3日、同市で日本人2人が殺害され、中国籍の男(42)を拘束したと発表した。日本に居住している男は2人とビジネス上のパートナーで、警察は経営協力を巡るトラブルが殺害の動機とみて、詳しく調べを進めている。関係者によると、「反日」が動機になった可能性は低い。
警察などによると、事件は5月23日に発生し、24日に男を拘束。25日に在瀋陽日本総領事館に伝えられた。被害者2人は中国に「臨時入国」して事件に遭ったといい、出張などで大連を訪れていたもようだ。地元当局が大連で被害者の遺族に事件の状況を説明し、遺族は疑義を唱えず既に日本に戻った。
中国沿岸部にある大連には日本企業が多く進出しており、昨年時点で在留邦人数は約3000人。風光明媚(めいび)で親日的な都市として知られ、日本語を学習する人が多い。
中国では昨年6月に江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスを停留所で待っていた日本人母子が刃物で切り付けられて負傷し、バスの案内係の中国人女性が死亡。同年9月には広東省深セン市で登校中の日本人学校の男児が刃物で刺され死亡する事件があった。今回はビジネスに絡む争いが背景にあるとはいえ、中国で日本人が巻き込まれる凶悪事件が相次ぎ、在留邦人の間で不安がさらに広がりそうだ。