ユヌス首席顧問、不出馬の意向=バングラ次期総選挙 2025年05月29日 12時08分

バングラデシュ暫定政権を率いるユヌス首席顧問は29日に東京都内で講演し、次期総選挙を今年12月から来年6月までの間に行う考えを示す一方、自身の出馬について「(もともと)政治家ではなく、選挙に出るつもりもない」と述べた。
昨年8月のハシナ政権崩壊を受けて暫定政権のトップに就任したユヌス氏の去就を巡っては、現地で辞任を検討していると報じられていた。ただ、ユヌス氏は「改革を遂げる、そして次の政権に引き継ぐのが私の仕事だ」と強調した。
また、ユヌス氏は一部の政党からは選挙の早期実施を求められているものの「古い(国の)制度が残ったまま選挙はしたくない」と訴えた。
ハシナ旧政権については、「いろいろな間違ったことが行われた」と非難。刑罰が恣意(しい)的に適用されるなど「司法が兵器化していた」と語った。
ユヌス氏は、貧困層の自立を手助けする「グラミン銀行」の創設者で、2006年に同銀行と共にノーベル平和賞を授与されている。日本政府によると、ユヌス氏は28~31日の日程で来日。29日には、日本経済新聞社主催のイベントで登壇した。