欧州音楽祭でまた政治論争=ロシア排除、反イスラエルデモも―スイス 2025年05月13日 14時40分

11日、スイス北西部バーゼルで開幕する「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のイスラエル参加に抗議する人々(AFP時事)
11日、スイス北西部バーゼルで開幕する「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のイスラエル参加に抗議する人々(AFP時事)

 【ロンドン時事】欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」が13日、スイス北西部バーゼルで開幕する。欧州では絶大な人気を誇る恒例の大会だ。ただ、ここ数年は中東やウクライナ情勢の泥沼化を背景に政治論争が激化し、お祭りムードに影を投げ掛けている。
 欧州と周辺の各国代表歌手が国別対抗で競い合う形式。今年は計37カ国が参加し、17日に決勝が開かれる。決勝の模様は各国で生中継される。
 華やかな祭典だが、実は参加国が絡む政治情勢が色濃く反映され、論争が起きることもしばしば。ウクライナ侵攻を受けて2022年以降参加を禁じられているロシアは今回も除外された。これに対し、同国のプーチン大統領は今年2月、ソ連時代に東側が開いた「インタービジョン」を復活させる大統領令を出し、西側への「対抗心」をむき出しにした。
 一方、パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルは、昨年に続き参加する。代表のユバル・ラファエルさんは、23年10月に起きたイスラム組織ハマスによる奇襲の生存者だ。自国メディアのインタビューで「私は100%歌と音楽に集中している」と強調。「雑音」は気にしない考えを表明した。
 ガザ紛争に抗議する団体は大会期間中、バーゼルで大規模な抗議デモを計画している。地元警察は厳戒態勢で警備に当たる。 

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