「米は戦闘終結に努力を」=ガザ停戦交渉、進展に期待の声も―ハマス 2025年05月13日 14時14分

 【カイロ時事】イスラム組織ハマスは12日、パレスチナ自治区ガザで拘束していた米国籍を持つイスラエル軍の男性兵士を解放したことについて声明を発表し、「持続的停戦のための包括合意に向け、交渉を即時開始する用意がある」と表明した。その上で、トランプ米政権に対し「戦闘終結への努力を継続するよう要求する」と訴えた。人質解放を機に、停戦交渉の仲介役である米国との協議を加速させたい意向とみられる。
 ハマスはこの中で、今回の人質解放は米国との直接協議を経て実現したと説明。「真剣かつ責任ある交渉であれば人質解放という結果を達成できることをわれわれは約束する」と強調した。
 国際社会からは人質解放を歓迎するとともに、停戦交渉の進展に期待する声が相次いでいる。国連のグテレス事務総長はSNSで、「すべての当事者は、きょうの人質解放を、人質全員の解放や戦争終結へとつなげる合意への足掛かりとすべきだ」と求めた。
 イスラエルメディアによると、ネタニヤフ首相は12日、同国を訪問したウィトコフ米中東担当特使との会談で、停戦交渉のためカタールに派遣したイスラエル代表団について、13日からのトランプ米大統領の中東歴訪終了まで留め置くことで合意。交渉に前向きな姿勢をアピールした。
 ただ、イスラエルはトランプ氏の歴訪後にガザに対する軍事作戦を拡大させるとの観測が出ており、停戦交渉が進展するかは不透明な要素も大きい。カッツ国防相は「その生死にかかわらず、人質全員が帰還するまでわれわれは最大限の努力を行う」と強調。残り58人のハマスの人質奪還のため、軍事的圧力を強める考えを示唆した。 

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