米中、追加関税115%下げで合意=90日間、協議継続 2025年05月12日 16時09分

【ワシントン、北京時事】ベセント米財務長官は12日、スイスのジュネーブで記者会見し、「米中双方が関税を115%引き下げる」と発表した。期間は90日間。米国の対中追加関税は30%に、中国の対米対抗関税は、一部の農産物などを除いて10%まで下がる。互いに100%超の追加関税をかけ合い、貿易が事実上停止する事態は当面、解消される。
米中は経済・貿易に関する協議の枠組みを新設し、交渉を継続する。ベセント氏は会見で、米中とも「デカップリング(分断)は望んでいない。貿易を望んでいる」と強調。「交渉が進むにつれて、巨額の対中貿易赤字の解消につながる物品購入協定を結ぶ可能性がある」と語った。
米国は4月2日、相互関税として中国からの輸入品に34%の関税を上乗せすると発表。その後、中国が報復したことを理由に、累計145%まで引き上げた。これに応じ、中国も米国からの輸入品に対する関税を125%に設定した。
共同声明によると、米国は相互関税を当初の34%に戻し、そのうち24%は90日間停止。中国の報復を受けて引き上げた部分は撤回する。中国も同様の措置を取る。
一方、トランプ米政権が合成麻薬「フェンタニル」の米国流入対策の不備を理由に発動した20%の対中追加関税は継続。それに対する中国の対抗措置も維持される。会見に同席したグリア米通商代表部(USTR)代表は、合成麻薬対策について、「米中が建設的に協力することで合意した。前向きな道筋がある」と説明した。