ハマス、米と直接協議=ガザ停戦へ人質兵士解放の意向 2025年05月12日 14時44分

人質のイスラエル人を引き渡すため、パレスチナ自治区ガザ南部ラファに集まったイスラム組織ハマスの戦闘員=2月22日(AFP時事)
人質のイスラエル人を引き渡すため、パレスチナ自治区ガザ南部ラファに集まったイスラム組織ハマスの戦闘員=2月22日(AFP時事)

 【カイロ時事】パレスチナのイスラム組織ハマスは11日、声明を出し、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとの停戦や人質解放などに関して「ここ数日、米政府と協議した」と明らかにした。米国は停戦交渉の仲介役を務めているが、テロ組織に指定しているハマスとの直接協議は異例。13日からのトランプ米大統領の中東歴訪を前に、停滞状態にあった交渉が再び活発化する様相を見せている。
 AFP通信が11日、複数のハマス幹部の話として報じたところによると、直接交渉は仲介役のカタールの首都ドーハで行われ、「現在も継続中」という。ハマス関係者は、停戦のほか、イスラエルが3月以降阻止しているガザへの支援物資搬入の再開に関し、「進展が見られた」と語った。
 トランプ政権はこれまでの停戦交渉で、ハマスの人質になっている、米国籍を併せ持つイスラエルの男性兵士の解放を目指してきたが、ハマスは「停戦に向けた取り組みの一環」として同兵士を解放する考えも示した。
 兵士解放について、トランプ氏は「誠意ある対応だ」と評価。エジプトとカタールも共同声明を発表し、「(イスラエルとハマスが)交渉のテーブルに戻るための力強い一歩だ」と歓迎した。
 イスラエルメディアによると、同国首相府は11日、この兵士が解放されれば、ガザの停戦交渉が再開されると米国から通告を受けたと発表した。米国のウィトコフ中東担当特使は同日、ネタニヤフ首相と電話会談し、兵士解放を協議。12日にイスラエル入りする。 

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