22日間の決戦火ぶた=李在明氏を保守2人追う―韓国大統領選 2025年05月12日 12時11分

12日、ソウル市内の大学で、学生の写真撮影に応じる保守系野党「改革新党」の李俊錫議員(左)(EPA時事)
12日、ソウル市内の大学で、学生の写真撮影に応じる保守系野党「改革新党」の李俊錫議員(左)(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国大統領選(6月3日投開票)の公式選挙運動が12日始まり、22日間の決戦の火ぶたが切られた。各世論調査では革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表(60)が支持率で大きくリード。保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(73)、保守系野党「改革新党」の李俊錫議員(40)が追い上げを図る。
 李在明氏はソウル市中心部の光化門で第一声。「絶体絶命の危機にひんした国民と国を救う選挙だ」と訴え、尹錫悦前大統領による「非常戒厳」宣言に端を発した混乱の克服を強調。「すべての国民の候補として臨む」と述べ、幅広い国民の支持を呼び掛けた。
 李在明氏の街頭演説には党の推計で2万人が集まった。首長時代の都市開発などの複数の疑惑を抱える李氏だが、今後の公判は大統領選後に延期。当選すれば停止される可能性が高い上、選挙期間中に出廷を強いられる懸念もなくなり、追い風に乗る。中道層の取り込みを意識し、経済政策を中心に訴えている。
 一方、金氏はソウル市内の生鮮食品市場で選挙運動を開始。その後の選対会議で「(視察した)市場の状況は厳しい。経済を活性化する『経済大統領』になる」と表明した。保守の中でも右寄りで、尹氏の主張に同調した金氏は保守層以外への支持拡大が課題。李氏の訴えと重なるものの、有権者の関心が最も高い「経済」に重点を置く。
 与党は、金氏と韓悳洙前首相との保守候補一本化を巡り混乱。金氏が公認候補となったが、党内の不協和音が表面化した。金氏は午後、保守の地盤である南東部の大邱市を訪問し、結束するようアピールする見通し。
 与党の混乱により、同じ保守系候補である李俊錫氏が離反した保守層の受け皿となる可能性がある。12日、ソウルの国会で記者会見し、世代交代と二大政党制の打破を主張。李在明氏との「一対一の対決になるだろう」と豪語した。若く将来が嘱望される李俊錫氏は、次回の大統領選をにらみ、一定の票を得て存在感を示したい考えもありそうだ。 

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12日、ソウル市内の生鮮食品市場で選挙活動を行う保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(中央)(AFP時事)
12日、ソウル市内の生鮮食品市場で選挙活動を行う保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(中央)(AFP時事)
12日、ソウル市中心部で第一声を上げる韓国革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表
12日、ソウル市中心部で第一声を上げる韓国革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表

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