与党、厳しい戦いに=一本化で混乱、選挙運動開始―韓国大統領選 2025年05月12日 06時29分

【ソウル時事】韓国大統領選(6月3日投開票)の公式選挙運動が12日、始まった。11日には保守系与党「国民の力」の公認候補に復活した金文洙前雇用労働相が立候補を届け出た。韓悳洙前首相との保守系候補の一本化協議を巡り与党の混乱が露呈し、厳しい選挙戦となりそうだ。
金、韓両氏は一本化を目指し協議を重ねたが、決裂。与党執行部は10日、金氏の公認を一時取り消し韓氏への候補交代を試みたものの、交代案が党員投票で否決され、金氏が公認候補に復活した。
これを受け、韓氏は11日の記者会見で「全てを謙虚に受け入れ承服する」と述べ、出馬取りやめを正式に表明。金氏の元を訪れ「勝つためには(金氏を中心に)団結しなければならない。私もできることをする」と伝えた。
最終的に金氏に一本化される形になったものの、無党派層への支持拡大が見込める韓氏への候補差し替えを望んだ執行部のシナリオは崩壊。一本化により期待された相乗効果は見込めず、与党への失望感が広がるのも必至だ。
各社世論調査では、革新系最大野党「共に民主党」の候補である李在明前代表が支持率トップを独走するが、与党の混乱は李氏にとってさらに追い風となりそうだ。また、保守系野党「改革新党」候補の李俊錫議員が、与党から離反した保守層の受け皿になる可能性もある。