ロシア「一時停戦」終了=ウクライナで空爆警戒情報 2025年05月11日 06時24分

ウクライナ侵攻を続けるロシアが一方的に宣言した72時間の一時停戦が11日午前0時(日本時間同6時)、終了した。西側諸国はトランプ米大統領が提案した30日間の停戦受諾を求めるが、プーチン政権はウクライナへの軍事支援停止が先決だと態度を保留。停戦交渉を巡ってゼレンスキー政権に圧力を強めるべく、ロシア軍が大規模な空爆を再開するとの見方も出ている。
英仏独ポーランド首脳は10日、ウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会い、トランプ氏に電話した。ロシアが停戦をのまない場合、制裁強化も辞さない構えだ。ロシアのペスコフ大統領報道官は米CNNテレビの取材に「われわれに圧力を試みても無駄だ」と反発した。
72時間の停戦は、中国など各国首脳がモスクワに集まる旧ソ連の対ドイツ戦勝記念日(9日)に合わせたもの。ウクライナは、和平に前向きな姿勢をアピールするプーチン政権の策略だとして呼応せず、ロシア軍の攻撃継続を理由に「茶番」と批判した。
在ウクライナ米大使館は9日、「今後数日間に大規模な空爆に見舞われる恐れがある」と警戒情報を発出。一時停戦の終了と関連している可能性がありそうだ。
ゼレンスキー政権は8日の一時停戦入り前、ロシアに対してドローン攻撃を実施。各国首脳を迎えるモスクワなどの空港がまひした。プーチン政権が停戦終了を待って報復に出るというシナリオもあり得る。
ウクライナのメディアは、ロシア南部アストラハン州の演習場上空を12、13両日に封鎖する航空情報(ノータム)が出たと報道。昨年11月、ウクライナ東部ドニプロペトロウスク州に新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」が発射された際に似た動きと指摘される。