勧告案採択できず閉幕=来年に課題、NPT準備委 2025年05月10日 09時11分

【ニューヨーク時事】来年開催の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた最終調整としてニューヨークの国連本部で開かれていた第3回準備委員会が9日、閉幕した。来年の合意文書のたたき台となる勧告案の全会一致での採択を目指したが、各国の意見の隔たりを埋められずに断念。議長文書の形で取りまとめられた。
条約の運用状況を5年に1度点検する再検討会議は過去2回、合意文書を採択できずに決裂している。核保有国も参加するNPT体制維持のためには次回会議での合意形成が欠かせないが、課題を残す結果となった。
来年の再検討会議の日程は、4月27日~5月22日と決まった。国連本部で開催され、ベトナムが議長国となる見通し。
議長文書は、核兵器の質的向上や量的拡大に懸念を表明。核保有国に対し「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」と訴えた。北朝鮮については「核保有国の地位は決して得られない」と明記し、核開発の中止を求めた。
準備委ではこの他、「再検討プロセスの強化」と題された手続きに関する文書も議論されたが、合意に至らず採択が見送られた。