弱者に寄り添い、トランプ政権批判も=新ローマ教皇レオ14世 2025年05月09日 14時41分

米国人として初めてローマ教皇に選出された。トランプ米大統領は「大変光栄だ」と喜びを隠さないが、新教皇はSNSでトランプ政権に批判的な投稿を頻繁に共有。強権的な政権運営を戒め、立場の弱い人々に寄り添う姿勢を示してきた。
1955年、米シカゴ生まれ。米メディアによると、父は退役軍人、母は図書館の司書だった。南米ペルーに長く滞在し、市民権も取得。柔らかな物腰で「米国人らしからぬ米国人」と評されたという。
X(旧ツイッター)では本名のロバート・プレボストという名義で、認証付きのアカウントを持つ。自己紹介欄には「カトリック、(聖)アウグスチノ(修道会)、司教」とスペイン語で記載。自らの見解をつづることはなく、主に他者の投稿を共有してきた。
最後の投稿共有は4月14日。不法移民の強制送還で意気投合したトランプ氏とエルサルバドルのブケレ大統領の会談について、「心が痛まないのか」と批判する内容だった。2月3日に共有した投稿は、隣人や地域社会よりも家族への愛を優先すべきだと、キリストの教えに言及する形で主張したバンス米副大統領に対し「バンス氏は間違っている。キリストは他者への愛を順位付けしていない」と指摘するものだった。
2020年には、白人警官による暴行で死亡し、全米で人種差別抗議デモが広がる契機となった黒人男性ジョージ・フロイドさんに関し、あらゆる憎悪や暴力、偏見が消え去ることへの願いを共有した。
改革派のフランシスコ前教皇から枢機卿に任命されたが、保守的な側面も併せ持つ。過去には西欧の現代文化が「福音と矛盾する信念を育んでいる」として、LGBTなど性的少数者の権利に慎重な発言をしたほか、ジェンダー教育推進にも反対したとされる。69歳。(ワシントン時事)。
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