北朝鮮、短距離弾数発発射=ロシアへの輸出念頭か 2025年05月08日 15時45分

【ソウル時事】韓国軍によると、北朝鮮は8日午前8時10分~同9時20分(日本時間同)ごろ、東部江原道元山付近から日本海に向け、短距離弾道ミサイル数発を発射した。日本の防衛省も北朝鮮から複数の弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられると発表した。
韓国軍当局者は、ロシアを念頭に置いた「輸出のための性能点検や、飛行安定性を評価するための実験の可能性がある」との見方を示した。ロシアが9日に旧ソ連の対ドイツ戦勝80年記念日を迎えるのを前に、ミサイルの性能を示し存在感をアピールする狙いもありそうだ。
韓国軍当局者によると、8日のミサイルはロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を基にした「KN23」や、北朝鮮が「超大型放射砲」と呼ぶ「KN25」とみられる。北朝鮮は、ウクライナ侵攻を続けるロシアに短距離弾道ミサイルを供与している。
北朝鮮の弾道ミサイル発射は、米韓合同軍事演習の初日だった3月10日以来で、約2カ月ぶり。日本の防衛省によれば、ミサイルのうち1発は最高高度約100キロで、約800キロ飛行。変則軌道の可能性がある。
日米韓の北朝鮮担当高官はミサイル発射を受け電話で協議。「地域および国際社会の平和と安全を脅かす」と北朝鮮を非難し、3カ国で緊密に連携することを確認した。