英軍に欧州への戦力集中要請=米高官、アジアでの連携低下も―報道 2025年05月08日 14時13分

【ワシントン時事】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は7日、コルビー米国防次官(政策担当)が英軍に対し、インド太平洋地域への関与を減らし、欧州・大西洋地域に戦力を集中させるよう要請したと報じた。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの対応を優先すべきだとの認識が背景にあるとみられるが、西側諸国が強化してきた対中国の安全保障連携を弱める恐れもある。
コルビー氏は、英海軍が最近、空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を中心とする空母打撃群をインド太平洋へ派遣したことにも懸念を示したという。プリンス・オブ・ウェールズは日本に寄港し、自衛隊と訓練を計画している。
英国やフランス、ドイツなど欧州の一部諸国は、東・南シナ海などで覇権主義的行動を強める中国をにらみ、インド太平洋に軍の活動地域を広げてきた。FTはコルビー氏の要請について、欧州諸国にアジアへの関与を促したバイデン前政権からの「180度の政策転換」だと指摘した。