野党「政治報復」と反発=検察改革へ攻勢か―韓国 2025年04月24日 17時16分

【ソウル時事】韓国の文在寅元大統領が在宅起訴されたことを受け、革新系最大野党「共に民主党」は24日、検事出身の尹錫悦前大統領が罷免されたことや、文氏が在任中、検察の権限縮小を図る改革を推進したことへの「政治報復」だと反発した。大統領選(6月3日投開票)の最有力候補で、自身も起訴され裁判中の李在明前代表も検察に批判的。同党は再び検察改革の主張を強めている。
「明白な政治報復であり、大統領選に影響力を行使しようとする政治行為だ」。共に民主党報道担当者の趙承来議員は記者会見でこう述べ、大統領選を控えたタイミングの起訴を非難した。ただ、文氏と距離があった李氏は昨年4月の総選挙で、文氏に近い勢力を公認から排除。党は李氏「一強」体制になっており、実際には大統領選への影響は少ないとみられる。
文政権は検察改革の一環として、政府高官らの不正を捜査する「高官犯罪捜査庁(高捜庁)」を新設。共に民主党は2022年5月の文氏退任直前に検察の権限を大幅に縮小させる改正法を強引に成立させたが、尹政権により事実上白紙化された経緯がある。
趙氏は「検察改革の必要性を検察が証明した」と強調。李氏も、最近公開された動画で検察から捜査権を切り離し、「高捜庁(の規模)を大幅に強化する」と主張している。
一方、保守系与党「国民の力」の報道担当者は論評で、「権力犯罪の実態を暴いた」と検察の捜査を称賛。文氏や共に民主党に対し、「来たるべき法の審判を謙虚に受け入れることを強く促す」と求めた。