野党迷走、2日で政策変更=EV減税「存続」から「廃止」―豪総選挙 2025年04月24日 15時23分

オーストラリアの野党・保守連合を率いるダットン自由党党首=3月28日、ブリスベン(EPA時事)
オーストラリアの野党・保守連合を率いるダットン自由党党首=3月28日、ブリスベン(EPA時事)

 【シドニー時事】オーストラリア総選挙(5月3日投票)で政権奪還を目指す野党・保守連合が、電気自動車(EV)購入者を対象とした減税措置の「存続」をいったん認めながら、わずか2日後に「廃止」を表明した。選挙戦さなかの政策変更は、国家公務員のテレワークを廃止するとした公約の撤回に続く迷走。支持率で与党・労働党を追う同連合の戦いは、厳しさを増しそうだ。
 現労働党政権が2022年に始めたEV減税について、保守連合は導入に反対していた。同連合を率いるダットン自由党党首は、今月21日の記者会見で「政権を取ればEV減税を廃止するか」と問われ、「いいえ。われわれはハイブリッド車への課税に反対しており、それ以外の変更提案はない」と明言。存続を認める立場を示した。
 ところが、同連合は23日に声明で「EV減税は財政上の浪費であり、廃止する」と発表。ダットン氏は24日の会見で「われわれの政策は(導入時の反対から)変わっていない」と強弁し、存続を認めた21日の発言を事実上取り消した。組織内の意思統一が不十分だったとみられる。
 騒動の末の政策変更で、同連合の政権担当能力を問う声が高まる可能性がある。ボーウェン気候変動・エネルギー相は「政策が2日しか持たないのに、ダットン氏は首相を(下院任期の)3年間務められようか」と痛烈に批判した。 

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