海自艦、中国支援の基地に初寄港=外交上のバランス考慮―カンボジア 2025年04月19日 16時51分

【リアム(カンボジア)時事】カンボジア南西部のリアム海軍基地に19日、海上自衛隊の掃海母艦『ぶんご』と掃海艦『えたじま』が寄港した。同基地は中国の支援で地上部の拡張が行われたばかりで、外国艦艇寄港は工事完了後初めて。米国などが同基地の中国軍事拠点化を懸念する中、真っ先に米国の同盟国である日本の艦艇を受け入れることで、外交上のバランスを取ったとみられる。
両艦の乗員は計約200人で、22日までの寄港中にカンボジア海軍などと交流する。指揮官の天野晋介1等海佐は「カンボジアとの間に積み重ねた友好関係の結果、最初の寄港国として日本が選ばれた」と指摘。基地のメアン・サブーン副司令官は「両国のさらなる協力促進を期待する」とあいさつした。
基地はタイ湾に面し、中国とフィリピンなどが領有権を争う南シナ海の海域に近い要衝。拡張工事は数年前から中国の資金援助で進められ、欧米メディアは見返りとして基地を中国が利用できる「秘密協定」の存在を報じていた。
カンボジア側はこの疑惑を否定。フン・マネット首相は5日の工事完了式典で「隠すことは何もない。すべての友好国からの艦艇を歓迎する」と強調した。