暫定取引に応ぜず=イスラエルの停戦案に拒否姿勢―ハマス 2025年04月18日 15時51分

【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラム組織ハマスの交渉団を率いる主要幹部ハリル・ハイヤ氏は17日のテレビ演説で、45日間の停戦期間を設けるなどとしたイスラエル側の新提案について、暫定的な取引には応じないとして拒否する姿勢を示した。ロイター通信が報じた。
ハマスは1月発効の停戦合意に基づき、これまでに死者を含め30人超の人質を解放した。ロイターによると、イスラエルの新提案は事実上崩壊した合意の再建のため、さらなる人質解放に加えて、恒久停戦に向け間接協議を開始する用意にも言及している。だが、ハマスが拒む武装解除も要求しており、ハイヤ氏は「あり得ない条件だ」と切り捨てた。
ハイヤ氏は「ネタニヤフ(イスラエル首相)とその政権が、皆殺しと飢えをもたらす戦争の継続という政治目的を隠す手段として、部分合意を利用している。われわれはそうした政策に加担しない」と明言。一方、恒久停戦やパレスチナ人収監者の釈放などと引き換えに、残る人質全員を解放する「包括的交渉」には、すぐにでも参加する用意があると述べた。
AFP通信によれば、ハマスがイスラエル案を拒否する姿勢を示したことを受け、同国の極右政党党首のスモトリッチ財務相は「ハマスに対し地獄の門を開く時が来た」と主張。「ガザ全域を占領するまで戦闘を拡大する」とけん制した。
停戦交渉の仲介役を務めるカタールのタミム首長は17日、「残念ながらイスラエルは停戦合意を守らなかった」と指摘。合意が事実上崩壊した責任はイスラエルにあるとの認識を示した。
イスラエルは17日もガザ攻撃を続行し、ロイターは地元保健当局の情報として、女性や子供を含む少なくとも32人が死亡したと伝えた。国連事務総長の報道担当官は16日、イスラエルがガザ攻撃を再開した3月18日以降で、約50万人が避難民になったとの推計を明らかにした。