イスラエル、人質解放拒否なら攻撃拡大=ガザの病院攻撃で子供犠牲 2025年04月14日 18時35分

イスラエルのカッツ国防相=2024年11月、エルサレム(EPA時事)
イスラエルのカッツ国防相=2024年11月、エルサレム(EPA時事)

 【カイロ時事】イスラエルのカッツ国防相は13日、イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザで拘束中の人質の解放を拒み続けた場合、攻撃を拡大させると再び警告した。「ガザは一層縮小し、孤立する」と強調。「さらに多くの住民が戦闘地域からの避難を余儀なくされる」と指摘し、既に数十万人が退避したと述べた。AFP通信が報じた。
 イスラエル軍は13日、ガザで辛うじて稼働していた北部の病院を攻撃した。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はSNSで、子供1人が適切な治療を受けられず死亡したと明らかにした。攻撃で緊急処置室のほかX線装置などが破壊され、「患者50人を別の病院に移すことを強いられた」という。
 この攻撃に関し、軍は「ハマスの司令部」が標的だったと説明した。だが、病院に避難するよう通知があったのは攻撃の数分前だったという。病院から脱出したイマドさん(42)は、AFPに「私と子供にとって病院が最後の避難所だったのに」と語った。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、軍は13日もガザ各地に爆撃を加え、少なくとも37人が死亡した。イスラエル軍が3月にガザ攻撃を再開後、1500人以上が命を落としている。
 一方、ロイター通信は13日、ハマスの代表団が仲介国エジプトに到着し、停戦を巡る新たな交渉を開始したと報じた。イスラエルとハマスは双方の合意に基づき解放する人質の数を巡り対立してきたが、イスラエルメディアによれば、同国政府は先週、それまで主張していた11人から減らすことに同意すると仲介国に伝えた。5人しか解放しないとしていたハマス側も譲歩する姿勢だと伝えられているが、合意がまとまるかは予断を許さない。 

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