マリオ・バルガス・リョサさん死去=ノーベル賞受賞のペルー小説家 2025年04月14日 10時17分

マリオ・バルガス・リョサさん=2023年5月、メキシコ中部グアダラハラ(EPA時事)
マリオ・バルガス・リョサさん=2023年5月、メキシコ中部グアダラハラ(EPA時事)

 【サンパウロ時事】ペルーの小説家でノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス・リョサさんが13日、リマ市内で死去した。89歳だった。息子のアルバロさんがSNSを通じ公表した。
 アルバロさんは、バルガス・リョサさんが「家族に見守られて、安らかに亡くなった」と説明。通常の葬儀は営まず、家族や親しい人だけで見送ると明らかにした。
 1936年、南部アレキパ生まれ。国立サンマルコス大で文学などを学び、ペルーの風土や社会問題を描いた長編小説「緑の家」(66年)で広く知られるようになった。19世紀のブラジルで起きたカルト集団の反乱を扱った歴史長編「世界終末戦争」(81年)でリッツ・パリ・ヘミングウェー賞を受賞した。
 2010年には「権力の見取り図を示し、個々の人々の抵抗や反乱、敗北などのイメージを鮮やかに表現した」として、ノーベル文学賞を受賞。コロンビアの故ガブリエル・ガルシア・マルケスさんらと並んで、ラテンアメリカ文学を代表する作家と位置付けられた。
 このほかの代表作は「楽園への道」、「イラク日記」(ともに03年)、「戯曲、オデュッセウスとペネロペ」(07年)など。政治にも強い関心を示し、1990年の大統領選に立候補したが、初挑戦だったアルベルト・フジモリ氏に敗れた。 

海外経済ニュース