とんだ「ノーフォーク」違い=豪離島関税、地名混同か 2025年04月14日 07時22分

【シドニー時事】南太平洋に浮かぶオーストラリアの離島ノーフォーク島がトランプ米政権の相互関税を巡り注目を浴びている。豪本土の10%よりひときわ高い29%を課され、上乗せの19%分を90日間停止されたが、米国への直接輸出はほぼないという。米英にある同一地名のノーフォークなどとの混同による誤った貿易データを基にしたのではないかとの見方が広がっている。
ノーフォーク島は豪東部シドニーの北東約1700キロにあり、人口は約2000人。観光が主力産業だ。島内の髪飾りメーカー「クーシュー」が製品の8割を米国向けに販売しているが、工場のある日本とインドから出荷し、島からは輸出していない。
英紙ガーディアンによると、米貿易データには、2023年にノーフォーク島から65万5000ドル(約9400万円)の対米輸出があったと記録されていた。だが、内容は欧州企業が輸出した鉄鋼部品や水槽などで、通関手続きの際に出荷地の英ノーフォークがノーフォーク島と誤記されたとみられる。また、米南部バージニア州ノーフォークで扱われた貿易品も同様に誤記された可能性がある。
貿易データには、島から大量の革靴が輸出されたとの記録もあった。しかし、製造元の本社は米東部ニューハンプシャー州にあり、税関書類で州の略称「NH」がノーフォーク島を表す「NI」と誤記された疑いが浮上している。
ファレル豪貿易相は公共放送ABCで「明らかに間違いだ。トランプ大統領は第2次大戦後の貿易体制をたった4週間(の作業)で覆したのだから、間違いも起きる」と冷ややかに語った。
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