ガザ住民「とどまり続ける」=トランプ氏構想の代替案―ハマス排除の暫定統治想定か・アラブ首脳会議 2025年03月05日 00時56分

エジプトのシシ大統領=2月19日、スペイン・マドリード(AFP時事)
エジプトのシシ大統領=2月19日、スペイン・マドリード(AFP時事)

 【エルサレム時事】アラブ連盟(21カ国・1機構)は4日、パレスチナ自治区ガザの復興を巡り、カイロで首脳会議を開いた。AFP通信などによると、会議を主導するエジプトのシシ大統領は開幕演説で、同国がまとめた復興案は「住民がガザにとどまり続けることを保証するものだ」と強調した。
 トランプ米大統領は先に、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘で荒廃したガザを米国が「所有」し、住民を近隣諸国に「恒久的に再定住」させる復興構想を表明。これを「民族浄化」と批判してきたアラブ側は代替案の協議を迫られた。ただ、シシ氏は演説で「トランプ氏には和平を達成できる力がある」と述べ、米国がパレスチナ問題の解決に向けて主導的な役割を担うことを歓迎する立場を示した。4月にカイロで関連の国際会議を開催する方針も明らかにした。
 エジプトは、米国やカタールと共にガザでの停戦仲介にも当たっている。ロイター通信は3日、エジプト案には、ハマスが武装組織として統治を続ければ「復興と再建のための主立った資金援助は集まらないだろう」との文言が盛り込まれていると報道。ハマスに代わり、アラブ諸国や欧米各国などによる暫定的な統治機構を設置することが想定されていると伝えた。
 また、約530億ドル(約7兆8600億円)を投じ、5年がかりで復興に当たることも報じた。
 一方、報道によると、サウジアラビアの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子は出席しなかった。対米関係悪化を懸念した可能性がある。 

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