トランプ氏復権、「米国第一」再び=強権姿勢鮮明、融和に課題―21日未明に大統領就任式 2025年01月19日 14時39分

18日、米南部フロリダ州ウェストパームビーチで、政府専用機に乗り込むトランプ次期大統領(中央)(AFP時事)
18日、米南部フロリダ州ウェストパームビーチで、政府専用機に乗り込むトランプ次期大統領(中央)(AFP時事)

 【ワシントン時事】米大統領選で返り咲きを果たした共和党のドナルド・トランプ氏(78)が20日(日本時間21日未明)、第47代大統領に就任する。「米国第一」を再び掲げ、忠誠心の厚い腹心を従えて「黄金時代」(同氏)実現に挑む。1期目と比べても強権的な「トランプ色」をさらに鮮明にしており、米社会の分断が一層深まるとの懸念が高まっている。
 トランプ氏は18日午後、邸宅のある南部フロリダ州を政府専用機に乗って出発し、ワシントン近郊に到着した。支持者らと花火を観賞するなど、一連の就任式関連行事を開始。ワシントン市内では、就任に反対するデモも行われた。トランプ氏は19日、アーリントン国立墓地で献花した後、ワシントン市内で集会を開き演説する。
 20日正午(同21日午前2時)ごろから、連邦議会議事堂で就任宣誓と就任演説に臨む。トランプ氏は18日、NBCニュースのインタビューで、演説のテーマは「結束、強さ、そして公平という言葉だ」と語り、国民の融和を図る考えを示した。
 厳しい寒さが予想されることから、議事堂外が慣例だった宣誓と演説の場所は、議事堂内のロタンダ(円形大広間)に変更された。ロタンダでの就任宣誓は、レーガン元大統領2期目の1985年以来、40年ぶりだ。
 トランプ氏は選挙戦を通じ「独裁者にはならない。初日を除いては」と述べ、就任直後から大統領令で政策を実現すると公言してきた。20日にはホワイトハウスで大統領令の署名式が行われる。その後数日間で出される大統領令は「記録的な数」(トランプ氏)になる見込みで、国境管理の厳格化や不法移民の送還、環境・エネルギー政策の転換を目指す。メキシコやカナダ、中国に対する関税引き上げも焦点だ。
 副大統領には中西部オハイオ州出身のJ・D・バンス前上院議員(40)が就任。トランプ政権は、共和党がホワイトハウスと上下両院を支配する「トリプルレッド」という強い権力基盤でスタートする。
 トランプ氏は2017年、第45代大統領に就任。再選を目指した20年の大統領選でバイデン大統領に敗れた。1度落選した大統領が返り咲くのは、1884年と92年の選挙に勝利したクリーブランド元大統領以来2人目となる。 

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