長引く不動産不況、経済圧迫=人口減追い打ち、立て直し難しく―中国 2025年01月17日 17時42分
中国で長引く不動産不況が経済を圧迫している。2024年の住宅販売面積は前年比14.1%減と、3年連続で前年割れ。昨年は購入規制の緩和や住宅ローン金利の引き下げといったてこ入れ策が相次いで打ち出されたものの、人口減がもたらす実需縮小が追い打ちをかけ、立て直しの難しさが浮き彫りになった。景気回復に向けた最大の足かせになっており、政府は悩みを深めている。
◇在庫解消、10年は必要
「わが国は、経済成長のけん引役が変わる重要な時期にある。不動産のような一部は役割が弱まっている」。国家統計局の康義局長は17日の記者会見で中国経済の現状についてこう説明した。
米CNBCテレビは昨年1月、中国の不動産市場について、積み上がった在庫の解消には「10年以上かかる」との専門家の予想を紹介。中国政府の支援策強化が追い風となり、大都市の一部で市況が底打ちしつつあるものの、人口減が進む小規模都市を中心に値下がりは当面続くとみられている。
中国では、不動産開発大手の中国恒大集団で経営危機が発覚した21年ごろに不動産バブルが崩壊。不動産は家計の主要な資産になっており、その後、深刻な消費不振につながった。昨年の小売売上高の伸びは3.5%と、コロナ禍前の19年の8.0%を大きく下回った。消費低迷が企業業績の悪化や就職難を招き、さらに消費を圧迫する悪循環に陥っている。