反捕鯨は「非暴力の運動」=釈放の容疑者が主張―パリ 2024年12月22日 06時10分
【パリ時事】日本の調査捕鯨に対する妨害行為で国際手配され、デンマーク領グリーンランドで約5カ月に及ぶ勾留を経て釈放された反捕鯨団体シー・シェパード(SS)創設者ポール・ワトソン容疑者(74)は21日、フランス・パリでの歓迎集会に出席した。反捕鯨を含む環境保護活動は「非暴力の運動だ」と強調。日本が同容疑者を「武装した危険なテロリスト」とみなすのは誤りだと訴えた。
ワトソン容疑者は20日、家族の住むフランスに到着。集会では数百人の支持者らを前に「真のテロリストは地球を破壊する人々だ」と述べ、SSはこれまでに「一人の負傷者を出したことも、犯罪で有罪を宣告されたこともない」と主張した。
しかし、SSの元活動家は2010年、日本の捕鯨船に対する妨害に絡み、傷害などで有罪判決を受けている。また、国際捕鯨委員会(IWC)は過去に声明で、SSが「容認できない行動や戦術」を取っていると非難。「洋上の安全を脅かす危険な行為」をやめるよう求めていた。
ワトソン容疑者を巡っては、海上保安庁が傷害や威力業務妨害の疑いで逮捕状を取り、国際手配。日本はデンマークに身柄の引き渡しを求めたが、拒否された。マクロン仏大統領が釈放に向けてデンマークに外交圧力をかけた。