ロシアが北朝鮮に原油供給=侵攻支援の見返りか、衛星画像で判明 2024年11月23日 21時36分
【ロンドン時事】ロシアが北朝鮮に対し、過去8カ月間で計100万バレル以上の原油を供給していた可能性があることが、英民間調査機関オープンソース・センターが22日発表した衛星画像分析で分かった。ウクライナに侵攻するロシアへの北朝鮮兵の派遣や武器供与への見返りとみられる。供給が事実とすれば、北朝鮮への石油精製品の輸出を年間上限50万バレルと定めた国連制裁決議違反となる。
数百枚に及ぶ衛星画像を分析したところ、今年3月初旬から11月中旬、北朝鮮の石油タンカー12隻以上がロシア極東ナホトカの貯油施設に40回以上寄港。洋上で撮影した画像によれば、タンカーはロシアに向かっている際は空だが、帰路は石油が満載になった状態という。
分析を担った同センターの専門家はBBC放送に「北朝鮮の金正恩(朝鮮労働党総書記)はプーチン(ロシア大統領)に戦闘継続のための救いの手を差し伸べ、ロシアもひそかに北朝鮮に(石油を)提供している」と指摘。ラミー英外相も声明で「ウクライナで戦争を続けるため、ロシアは兵員や武器で北朝鮮への依存を強めている」と述べた。