豪議会で気候変動対策促す=先住民迫害に抗議の声も―英国王 2024年10月21日 16時59分
【シドニー時事】オーストラリア訪問中のチャールズ英国王は21日、首都キャンベラの連邦議会で演説し、気候変動への取り組みを一層強化するよう促した。国王は過去に英国人から迫害を受けた先住民との「和解」にも言及したが、先住民の議員が入植の歴史に抗議する一幕もあった。
豪州の国家元首である国王は、豪州で近年、洪水や山火事などの災害が続発していることに触れ、「規模や頻度からして誤解しようのない気候変動の兆候であり、豪州は脆弱(ぜいじゃく)だ」と指摘。その上で「国際的な対策における豪州の指導力は極めて重要だ」と強調した。山火事減少に向けた研究を進めている豪連邦科学産業研究機構(CSIRO)も視察した。
国王はまた、先住民の戦没者記念碑を訪問。演説では「6万5000年にわたってこの大陸を守ってきた先住民に敬意を表する」と述べ、豪国民による和解の努力に理解を示した。だが、演説の終了直後、先住民のリディア・ソープ上院議員が「われわれの土地を返せ。あなたたちは破壊した」と叫び、警備員に連れ出される騒ぎがあった。