中国、短期金利重視に=日米欧型へ政策転換 2024年09月27日 18時41分

中国人民銀行本部=北京(EPA時事)
中国人民銀行本部=北京(EPA時事)

 【北京時事】中国人民銀行(中央銀行)が金融政策の見直しを進めている。27日に7日物の短期金利を引き下げた際、「経済の安定成長を図るため」と同金利の役割を際立たせた。人民銀は従来、政策金利を一つに絞っていなかったが、今後は日米欧同様、短期金利を重視することになりそうだ。
 「中銀の政策金利、つまり7日物金利を0.2%引き下げる」。潘功勝総裁は24日の記者会見でこう強調した。
 潘氏は6月に上海で開かれた会合で、将来的な政策金利として短期金利の役割を重視すると表明済み。7月には市場で事実上の政策金利と見なされてきた最優遇貸出金利(LPR)を引き下げたが、その直前に7日物の引き下げも公表し、政策変更をアピールした。
 中国では近年、市中銀行が企業や個人に実際に貸し出す金利が、「最優遇」であるはずのLPRを下回るケースが続出。LPRについて、潘氏は先の会見で「政策金利の調整後、0.2~0.25%低下する」と述べるにとどめるなど、役割の縮小を図った。
 北京の金融業界関係者は、中国では従来、中期貸出制度(MLF)と呼ばれる金利を政策金利と見なす向きもあったと指摘。「政策金利を明示することで市場との対話をより円滑にする狙いがある」と分析した。 

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