国際法違反への「不処罰」批判=一般討論演説始まる―国連総長 2024年09月24日 22時58分
【ニューヨーク時事】国連加盟193カ国の代表が一堂に会して所信表明する国連総会の一般討論演説が24日、米ニューヨークの国連本部で始まった。グテレス事務総長は冒頭、国際法で攻撃の標的とすることが禁じられている民間人の犠牲が世界各地の紛争で増える中、攻撃した側の責任が問われない現状を「不処罰の時代」だと厳しく批判した。
グテレス氏は演説で、ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでのイスラエルの軍事作戦を念頭に「国際法を踏みにじっても、他国を侵略しても、何も起きない」と指摘。民間人がその代償を支払わされていると非難した。「冷戦時代にもルールはあった」とも述べ、国際法順守の必要性を訴えた。
ガザでは死者が4万人を超え、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフ200人以上が命を落とした。グテレス氏は即時停戦と人質解放に向け、国際社会に団結を要請。イスラエル軍が攻勢を強めるレバノンに関しては「第2のガザにすることはできない」と緊張緩和を呼び掛けた。