「国際法違反」「前例ない」=レバノン一斉爆発で非難殺到―国連安保理 2024年09月21日 08時55分
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会(15カ国)は20日、レバノン各地で通信機器が一斉爆発した事件を受け、緊急の公開会合を開いた。民間人を巻き込む形で身近な製品を武器化した攻撃に、多くの理事国から「国際法違反だ」「前例がない」と非難が殺到。独立した調査が必要だとの意見が相次いだ。
報告に当たったターク国連人権高等弁務官は、「機器を所持する人や所在地を把握せず、何千人をも一斉に標的とすることは国際人権法に違反する」と糾弾。「市民に恐怖を広げることを意図した暴力は戦争犯罪になる」とも指摘した。
事件にはイスラエルが関与したとみられているが、同国のダノン国連大使は会合に先立つ報道陣の取材に「コメントしない」と述べた。会合では、対レバノン境界の治安を回復し、退避している自国民を帰還させるために「必要なことは何でもする」と主張。敵対するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃継続を表明した。