米政権、小口貨物にも制裁関税=中国ネット通販拡大で 2024年09月13日 20時04分
【ワシントン時事】バイデン米政権は13日、米通商法301条などに基づいて制裁関税を課された製品は、個人向け小口貨物を対象にした関税免除措置を適用しないと発表した。中国系インターネット通販の急拡大で、衣類など安価な製品が無税で流入し、制裁関税の「抜け穴」になっていることを受けた措置。さらに議会に対し、同措置の抜本的な見直しに取り組むよう要請した。
米国では800ドル(約11万3000円)以下の個人向け貨物は、関税や複雑な輸入手続きが免除されている。米国人旅行者が持ち帰る土産物や贈答品などへの適用が想定されている。
一方、米国は知的財産権の侵害などを理由に、幅広い中国製品に通商法301条に基づく制裁関税を課している。中国から輸入される衣類の7割が制裁対象になっているとされる。
しかし、中国の衣料ネット通販大手シーイン(SHEIN)などの利用が急拡大。海外拠点から米国の個人宛て小口貨物で商品を輸送するため、関税の適用対象外となってきた。米政府によると、適用除外の輸入品は過去10年間で7倍超に膨らんだ。
米政府高官は記者団に「一部企業が、米国の法律を回避し、違法で危険な製品を輸送するために措置を悪用している」と対策の必要性を訴えた。