火種抱え、新政権発足へ=一部保守派を連立から排除―タイ 2024年09月04日 15時50分
【バンコク時事】タイの官報は4日、タクシン元首相の次女で最大与党・タイ貢献党党首のペートンタン首相が率いる内閣の閣僚を国王が任命したと発表した。新政権は6日に閣僚が宣誓式を行い発足するが、軍と近い保守派の親軍政党の一部が連立から排除されて政権批判を強めており、火種を抱えての出発となる。
反軍を訴えてきたタクシン派の貢献党は昨年、親軍政党などと手を組み連立政権を発足させた。ペートンタン氏は先月、閣僚人事を巡りセター前首相が憲法裁判所の判決で失職したことを受け、首相に選出された。
新政権にはタクシン派と長年対立してきた民主党も加わった。与党で下院(定数500)は約320議席を占めており、法案などは通過させやすい。
ただ、前政権に参加していた「国民国家の力党」は分裂し、元陸軍司令官のプラウィット党首らが連立から排除された。タクシン派との対立が再燃したためで、プラウィット氏側は既にペートンタン氏に関する複数の不正疑惑を選挙管理委員会に訴えるなど対決姿勢を鮮明にしている。