ハリス氏に勢いも接戦=投票まで2カ月、盛り上がる民主―トランプ氏、無党派へ訴え強化―米大統領選 2024年09月04日 14時13分
【ワシントン時事】米大統領選は11月5日の投開票まで2カ月の終盤戦に入った。各種世論調査では、8月に民主党候補に指名されたばかりのカマラ・ハリス副大統領(59)が勢いを保ち、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)をわずかにリード。ただ、いずれも誤差の範囲内の接戦で、左右両極化の構図の中、勝敗を決する浮動票の奪い合いが本格化する。
選挙サイト「ファイブサーティーエイト」がまとめた各種世論調査結果の平均によると、9月3日時点の支持率はハリス氏が47.1%で、トランプ氏に3.2ポイント先行。USAトゥデー紙の調査では、黒人やヒスパニック、若者などの間でハリス氏支持が上昇し、年収2万ドル(約290万円)未満の低所得世帯での伸びが顕著だった。バイデン大統領(81)を「高齢過ぎる」と敬遠していた民主党支持層が回帰したとみられる。
熱狂の度合いは歴然としている。8月実施のギャラップ社の調査によれば、「普段より投票への熱意がある」と回答した人の割合は民主党支持層で78%。3月から23ポイント上昇し、オバマ元大統領が登場した2008年に匹敵する盛り上がりを示した。共和党支持層は3月比5ポイント増の64%にとどまった。
ハリス氏陣営は「20年大統領選は、激戦州の約4万票が勝敗を決した。今回も同程度の接戦になる」(オマリーディロン選対委員長)として、楽観ムードを警戒。ハリス氏も選挙演説で「私たちは劣勢だ」と引き締めを図っている。
一方のトランプ氏は4件の刑事裁判を抱え、大統領選で敗れれば収監の可能性も出てくる。無所属で出馬していたロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)を政権移行チームに組み込むなど、無党派層へのアピールを強め、「ハリスを倒す」と誓う。
今月には激戦州を含む複数の州で期日前投票が始まり、最も早い南部ノースカロライナ州では6日から投票用紙が郵送される。事実上の投票開始を迎える中、ハリス、トランプ両氏が初めて直接対決する10日のテレビ討論会が、終盤戦のヤマ場となる。