日鉄の年内完了目標に逆風=ハリス氏も反対表明―米USスチール買収 2024年09月03日 09時54分

ハリス米副大統領=2日、ミシガン州デトロイト(AFP時事)
ハリス米副大統領=2日、ミシガン州デトロイト(AFP時事)

 【ワシントン時事】米民主党のハリス副大統領が、日本製鉄による鉄鋼大手USスチール買収計画への反対を表明した。共和党のトランプ前大統領も阻止する考えを繰り返し示しており、11月の大統領選の結果がどちらに転ぼうとも、日鉄が目指す年内の買収完了に逆風となるのは確実だ。
 ハリス氏は2日に東部ペンシルベニア州ピッツバーグで行った演説で「強い米鉄鋼会社を維持することは、国家に不可欠だ」と強調。USスチールは「国内で所有、運営され続けるべきだ」と述べた。買収計画には全米鉄鋼労組(USW)も反対の構えを堅持している。
 USスチールが本社を置く同州は、大統領選の結果を左右する激戦州で、ハリス、トランプ両氏の支持率が拮抗(きっこう)。両氏とも労働者重視の姿勢を示している。
 ハリス氏に先立って演説したバイデン大統領も改めて反対を表明。米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)は、安全保障の観点から買収計画への審査を続けており、問題があると判断すれば、大統領に阻止などを勧告する。現職大統領の意向は無視できないとみられている。
 一方、日鉄はあくまで年内の買収完了を目指している。8月末には、買収後に13億ドル(約1900億円)を追加投資すると発表。労働者や地元自治体などへの働き掛けを強めている。 

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