「閣僚起用」で共和に秋波=移民・エネルギー政策の変遷釈明―ハリス氏指名後初インタビュー・米大統領選 2024年08月30日 15時12分

29日、米南部ジョージア州サバンナで開かれた選挙集会に参加するハリス副大統領(AFP時事)
29日、米南部ジョージア州サバンナで開かれた選挙集会に参加するハリス副大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】米民主党のハリス副大統領(59)は29日、CNNテレビのインタビューで、11月の大統領選で当選すれば野党・共和党から閣僚を起用し、党派を超えた国家の団結を目指す意向を示した。また、移民受け入れやエネルギー政策を巡り、過去の立場からの変遷について説明した。
 大統領候補に指名されて以降、同氏がインタビューを受けるのは初めて。ハリス氏は「共和党員が閣僚に加われば米国民にとって有益だ」と言及。共和党「反トランプ派」の取り込みを狙い、秋波を送った形だ。過去には民主党のオバマ政権発足時に共和党のブッシュ(子)政権で国防長官を務めていたゲーツ氏が留任したケースなどがある。
 ハリス氏は2020年大統領選に立候補した際、不法越境者を処罰の対象としない考えを示していたが、「大統領として法律を執行する」と翻意。また、シェールオイル・ガスの採掘に用いる技術「フラッキング(水圧破砕法)」について禁止から容認に転じた。こうした変化について、国境管理を徹底し、気候変動対策を重視する考えに変わりはないと主張した。
 また、最優先課題に掲げる「生活コスト削減」をバイデン政権3年半で実現できなかった理由について、「(新型コロナウイルス禍から)まずは経済を回復させる必要があった」と述べた。
 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦交渉に関し、「罪のない多くのパレスチナ人が殺害された。合意を実現すべきだ」と強調。ただ、イスラエルが自国を守る権利を擁護するバイデン政権の方針は変更しないと語り、武器禁輸はしない考えを示した。 

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