トランプ氏「私の政策盗用」=チップ非課税案でハリス氏非難―米 2024年08月14日 14時32分

トランプ前米大統領(写真左、AFP時事)とハリス副大統領(EPA時事)
トランプ前米大統領(写真左、AFP時事)とハリス副大統領(EPA時事)

 【ワシントン時事】「カマラ(・ハリス米副大統領)は私の政策を盗んだ」。米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領が、飲食店員らの受け取るチップの非課税化案を巡り、民主党候補のハリス氏が自身の政策を盗用したとの非難を強めている。非課税化は両陣営が打ち出しているが、11月5日の投票日まで3カ月を切る中、接客業従事者ら中低所得者票の争奪戦が激しさを増している。
 「チップ文化」が根付く米国では、飲食店員やホテル従業員らの収入に占めるチップの割合が高く、非課税化による懐具合への影響は大きいとみられている。
 トランプ氏は6月、観光地ラスベガスを抱える西部ネバダ州の集会でチップ非課税化を打ち出し、飲食業界から歓迎を受けた。一方、中低所得層の底上げを掲げるハリス氏も先週、同州で「最低賃金引き上げやチップ非課税化を含め、働く世帯のための闘いを続ける」と追随した。
 トランプ陣営は即座に「猿まねだ。バイデン政権はチップへの税徴収を強化した」と主張。ジャンピエール大統領報道官が「トランプ前政権は最低賃金引き上げを阻止し、億万長者のための減税を行った」と言い返し、非難の応酬となった。
 超党派の非営利団体「責任ある連邦予算委員会」は、チップが非課税になれば、飲食店やホテルなどがチップ名目での給料支払いを増やす可能性が高いと懸念。高水準で推移する財政赤字にも「悪影響を及ぼすだろう」と指摘している。 

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