先端半導体、32年にシェア3割へ=補助金決定は年内終了―米政権 2024年08月08日 14時29分

視察した米インテルで、半導体などの説明を受けるバイデン大統領(右)=3月20日、アリゾナ州チャンドラー(AFP時事)
視察した米インテルで、半導体などの説明を受けるバイデン大統領(右)=3月20日、アリゾナ州チャンドラー(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米政権は7日、半導体補助金法に基づく国内生産拠点整備の補助金交付の決定を年内に終えるとの見通しを示した。これまでに米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)などに対し、計約300億ドル(約4兆4000億円)の支給を決定。人工知能(AI)などに不可欠な先端半導体生産で、米国のシェアが2032年までに28%に上昇すると見込んでいる。
 米政府高官は記者団に「電気自動車(EV)から防衛システムまで、半導体のサプライチェーン(供給網)を他国に依存する必要がなくなる」と強調した。
 半導体生産は、中国など東アジアに大きく偏っている。米国のシェアは1割強にとどまり、先端品はほとんどない。コロナ禍では半導体供給が滞り、米製造業が大打撃を受けた。
 その反省を踏まえ、米国では22年8月、5年間で生産拠点整備に約390億ドル、研究開発に約110億ドルの補助金支給を盛り込んだ半導体補助金法が成立。供給網の国内回帰を促し、経済安全保障強化へと動きだした。
 米政府は今年に入り、インテルに85億ドル、TSMCに66億ドル、韓国サムスン電子に64億ドルの交付を決めるなど、全米各地での生産拠点整備を支援。民間資金も含めた総投資額は4000億ドル近くに達する。西部アリゾナ州などでは半導体産業の集積が進み、「地域や州の姿を大きく変えた」(同高官)という。 

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