反差別デモが極右圧倒=「同じ人間」「沈黙しない」―英 2024年08月08日 07時48分

7日、ロンドンで行われた反差別デモ(EPA時事)
7日、ロンドンで行われた反差別デモ(EPA時事)

 【ロンドン時事】不法移民の排斥を訴える極右団体のデモが7日、英各地で行われた。先月末に西部サウスポートで起きた少年による殺傷事件を機に極右の暴動が全国に広がり、7日も暴力沙汰が懸念されたが、対抗する反差別デモに多数が集結、「極右を規模で圧倒」(英メディア)する形となった。
 少女3人が死亡した殺傷事件では、容疑者を巡る偽情報がSNSで拡散し、極右活動家の暴動に発展。極右は7日もSNSを通じ、移民支援を行う法律事務所やモスク(イスラム礼拝所)などを標的にデモを呼び掛けた。報道によれば、全国で100のデモが同時多発的に計画され、混乱を懸念する当局は数千人の警官を配置し警戒に当たった。
 一方、極右デモに反対しようと、反人種差別団体も同じ時間帯に各所でデモや集会を開催。これに多数の人々が応じ、街頭は「人種差別にNO、ファシズムにNO」と叫ぶ群衆で埋まった。報道によると一部地域では、集まった少数の極右活動家が反差別デモ参加者に取り囲まれた。
 極右デモが予定されたロンドン北部ノースフィンチリーの大通りは7日夜、極右活動家の代わりに反人種差別を訴える市民らであふれ返った。「難民歓迎」「極右を止めろ」などと書かれたプラカードを掲げて移民排斥や人種差別に抗議。「私たちは同じ人間だ。沈黙しない」とシュプレヒコールを上げた。 

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