ハリス氏、民主党指名確実=トランプ氏と対決姿勢―「犯罪者追う検事」演出・米大統領選 2024年07月23日 14時07分
【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)の選挙戦撤退後に後継に名指しされたハリス副大統領(59)は22日、民主党の総代議員の過半数から支持を取り付けたと発表した。同党の指名獲得は確実な情勢。同氏は東部デラウェア州の選挙対策本部で、11月の大統領選に「勝たなければならない」と演説し、トランプ前大統領(78)への対決姿勢を打ち出した。
ハリス氏が選挙演説を行うのは21日にバイデン氏が撤退を明らかにしてから初めてで、事実上の第一声となった。「老々対決」の再来とみられていた大統領選の構図は、ハリス氏とトランプ氏の戦いへと一変する。
民主党全国委員会は8月1~7日の間に、代議員のオンライン投票で大統領候補を選出する方針。党は同19~22日に全国大会を開くが、一部州の候補者登録期限に合わせ前倒しする。候補者乱立による混乱と分裂を避け、早期に「対トランプ」で一丸となる狙いもありそうだ。
ハリス氏は22日、バイデン氏から引き継いだ選対本部でスタッフを激励。演説では、検事として性犯罪や詐欺などあらゆる犯罪に向き合ってきた経歴に触れ、「トランプのような人間をよく知っている」と言及。刑事訴追され、一部事件で有罪判決も受けたトランプ氏を挑発した。
さらに「多くの国民が完全な自由と権利を持つ以前の時代に国を引き戻そうとしている」とトランプ氏を批判。「全ての国民に居場所がある、明るい未来を信じる」と語った。
バイデン氏も電話で選対会合に参加し、「皆さんが私にくれた心と魂の全てをハリス氏にささげることを願う」と全力の支援を呼び掛けた。自身もハリス氏の選挙運動に加わるという。
この日、民主党内ではハリス氏に候補を一本化する動きが進んだ。態度を留保していた重鎮のペロシ元下院議長が新たに支持を表明。大統領候補に取り沙汰された中西部ミシガン州のウィットマー知事らも一斉にハリス氏を推薦した。これまでに対抗馬は現れていない。
資金調達も動き始めた。政治専門紙「ポリティコ」によると、バイデン氏の撤退表明後わずか1日で、主要献金者から約1億5000万ドル(約235億円)の献金が集まったという。