ネタニヤフ首相に圧力高まる=高官ら人質解放訴え―イスラエル 2024年07月18日 14時13分

イスラエルの対外情報機関モサドのバルネア長官=2023年9月、中部ヘルツリヤ(AFP時事)
イスラエルの対外情報機関モサドのバルネア長官=2023年9月、中部ヘルツリヤ(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラエルのメディアは17日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議を巡り、同国の対外情報機関モサドのバルネア長官のほか閣僚らが閣議で、人質には「時間がない」として、早期の停戦合意の必要性を訴えたと報じた。反政権デモを行う国民だけでなく、政府高官からも人質解放を求める声が強まった格好。交渉妥結に向けたネタニヤフ首相への圧力が一層高まっている。
 地元紙タイムズ・オブ・イスラエルによれば、バルネア長官は16日の閣議で、人質の女性たちに言及。「(交渉妥結には)何週間もかかる可能性がある。女性たちには、現在協議中の停戦案の文言修正を待つ時間はない」と述べた。
 これに他の閣僚たちも同調。レゲブ運輸相は「われわれは国民に対し責任を負っている。完璧な(停戦)合意はあり得ないが、見過ごしてはならないチャンスが今ここにある」と強調した。また、ガムリエル情報相はネタニヤフ氏に対し、停戦に反対する極右政党党首のベングビール国家治安相らからの「脅迫」は無視すべきだと迫ったという。
 ガラント国防相や軍のハレビ参謀総長も、ネタニヤフ氏は停戦案の文言を協議せず、現行の案で交渉を進めるべきだとして、バルネア氏を支持しているという。
 ネタニヤフ氏は一貫して、ハマス壊滅まで戦闘を継続すると強調。16日には「人質全員を奪還するため、今は従来以上に(ハマスに)圧力をかける時だ」と述べた。だが、同氏を巡っては地元紙が最近、政権維持に固執し、保身のため意図的に停戦合意を妨害していると報じている。 

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