はしごと銃弾50発を当日購入=車爆破も計画か―トランプ氏銃撃犯 2024年07月16日 15時41分
【ニューヨーク時事】トランプ前米大統領が狙われた暗殺未遂事件で、連邦捜査局(FBI)は15日も全容解明に向け捜査を続けた。CNNテレビは当局者の話として、トーマス・クルックス容疑者(20)=現場で射殺=が事件当日の朝、はしごと銃弾50発を購入していたと報じた。前日には会員となっている地元の射撃場を訪れ、射撃練習をしたという。
CBSテレビによると、銃撃に使用された半自動小銃AR15は、容疑者の父親が2013年に合法的に購入したものだった。父親はCNNに「治安当局と話すまで」取材に応じられないと説明している。
クルックス容疑者は13日、東部ペンシルベニア州で開かれた選挙集会で、約120メートル離れた建物の屋根から壇上のトランプ氏を狙い銃撃。6~8発発砲したとみられ、その場で大統領警護隊(シークレットサービス)の狙撃手に射殺された。
CNNによれば、容疑者の遺体からは「発信機」が見つかった。集会場の近くに停車していた容疑者の車には、爆発物とみられる金属製の箱が積まれており、「受信機」が取り付けられていた。遠隔操作で車を爆破させ、会場が混乱する中でトランプ氏を狙う計画だった可能性があるという。
FBIは15日、容疑者の携帯電話のデータ解析に成功したほか、目撃者ら100人近くから事情を聴取したと明らかにした。動機や背後関係の調べを進めているが、米メディアによると、犯行につながる有力な情報は得られていない。爆発物の作り方を検索した形跡もなかった。
事件を巡って大統領警護隊への批判が強まる中、同隊を所管するマヨルカス国土安全保障長官は15日、銃撃を許したことは「失敗」だったとの認識を示した。バイデン大統領は当時の警備態勢を見直すよう指示しており、マヨルカス氏によると、政権外部による独立調査が「数日以内」に始まる見通し。