再エネ、デジタル分野に注力=ブータン首相インタビュー 2024年07月13日 15時01分
ブータンのトブゲイ首相が13日までに時事通信のインタビューに応じた。国民の幸せを示す尺度である「国民総幸福量」(GNH)向上のため、再生可能エネルギーやデジタル分野への投資に注力する方針を示した。政府が取り組む暗号資産(仮想通貨)への投資に関する質問には答えなかった。
―国の開発に関する方針は。
国民の幸福を開発の中心に据えている。経済成長が重要なのは否定できないが、環境保全や良い統治とのバランスを取らなければならない。総合的な発展の形がGNHだ。
―クリーンエネルギーを推進している。
化石燃料への依存は地球の未来や私たちにとっても良くない。ヒマラヤ山脈には30ギガワット以上のクリーンエネルギーを生み出せる流れの速い川が多くある。既にインドに電力を輸出しているが、潜在的な発電量の7.5%しか利用できていない。水力や太陽光発電の開発加速や、二酸化炭素を排出しない方法で水素やアンモニアを製造し輸出することで、成長に貢献できる。
―デジタル技術の積極的な導入を目指している。
テクノロジーは人々の幸福を高めるために利用する。経済規模が小さく人口が少ないため、人工知能(AI)やブロックチェーン(分散型台帳)といった技術の1人当たりのコストは非常に高い。だからといって選択の余地はない。全ての子供がテクノロジーに触れ、大学で専門的に学び、関連ビジネスを発展させやすい環境を整える。