月裏側の土壌、地球に=世界初、中国探査機が帰還 2024年06月25日 15時15分

25日、世界で初めて月の裏側の土壌試料を採取した中国の無人探査機「嫦娥6号」が、地球に帰還した。内モンゴル自治区にパラシュートで落下し、駆け付けた人員が中国国旗を立てた。(EPA時事)
25日、世界で初めて月の裏側の土壌試料を採取した中国の無人探査機「嫦娥6号」が、地球に帰還した。内モンゴル自治区にパラシュートで落下し、駆け付けた人員が中国国旗を立てた。(EPA時事)

 【北京時事】月の裏側の土壌試料を採取した中国無人探査機「嫦娥6号」が25日午後(日本時間同)、地球に帰還した。中国メディアは一斉に「世界で初めて月の裏側の試料を持ち帰った」と伝えた。月の裏側には貴重な資源が眠っている可能性があり、世界は中国の分析結果に注目する。一方で「中国脅威論」もさらに高まり、宇宙開発を巡る米中競争は激化が必至だ。
 嫦娥6号は5月3日にロケットで打ち上げられ、約1カ月後、月の裏側に位置する「南極エイトケン盆地」に着陸。2日間滞在し、ドリルなどを使って砂や石を採取した。本体の一部が計画通り、内モンゴル自治区の砂漠地帯にパラシュートで落下。急行した人員が、脇に中国国旗を立てた。
 習近平国家主席は祝電で「人類史上初めて月の裏側の試料を持ち帰ったことは、宇宙・科学技術強国に向けた中国の象徴的な成果だ」とたたえた。 

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