欧州中銀、0.25%利下げ=4年9カ月ぶり―インフレ鈍化で 2024年06月06日 21時19分
【ロンドン時事】欧州中央銀行(ECB)は6日の定例理事会で、政策金利の0.25%引き下げを決めた。利下げは2019年9月以来4年9カ月ぶりで、市場予想通り。足元の物価上昇率は鈍化傾向にあり、緩和に転じることが適切と判断した。
ECBは三つの政策金利をいずれも引き下げる。うち、民間銀行がECBに資金を預け入れる際に適用する中銀預入金利は3.75%、主要政策金利は4.25%となる。
ラガルド総裁は会合後の記者会見で、インフレ圧力が弱まる兆しが強まっているとの認識を示した上で、「賃金の伸びは依然高いものの、減速傾向にある」と説明。利下げ決定は「(経済の)先行きに対する自信が高まった」ためだと強調した。一方、追加利下げに関しては「金利の先行きについて事前に確約しない」と述べ、会合ごとに得られるデータを踏まえて見極める考えを改めて示した。
ECBは声明で、インフレ見通しや金融引き締めの波及効果などを考慮し、「景気抑制の程度を緩やかにすることが適切」と指摘。インフレ率は「来年も(ECBが目標とする2%の)目標を上回って推移する可能性が高い」と予想した。
ECBは最新の物価見通しで、24年の上昇率を平均2.5%(従来予想2.3%)、25年を2.2%(同2.0%)に上方修正。経済成長率見通しは24年を0.9%(同0.6%)に引き上げる一方、25年は1.4%(同1.5%)に引き下げた。