ガザ新提案、合意求めデモ=極右閣僚は政権離脱警告―イスラエル 2024年06月02日 07時29分

1日、テルアビブのイスラエル国防省庁舎前でデモを行う市民(EPA時事)
1日、テルアビブのイスラエル国防省庁舎前でデモを行う市民(EPA時事)

 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでの戦闘についてイスラエルがイスラム組織ハマスに新たな停戦案を示したとバイデン米大統領が明らかにしたことを受け、イスラエルでは1日、ネタニヤフ政権に同案に基づく合意を求めるデモが行われた。一方、極右政党は反対を表明。連立政権離脱を警告し、ネタニヤフ首相に揺さぶりをかけた。
 新提案は3段階から成り、第1段階の「完全な停戦」期間中にハマスは拘束している人質の一部を引き渡す。第2段階で「恒久的な敵対行為の終結」を実現し、ハマスはさらに人質を解放する。第3段階でガザの復興に着手する計画だ。
 イスラエルのメディアによると、商都テルアビブで行われたデモには約12万人が参加。参加者は人質解放のためハマスと合意するよう政権に訴え、ネタニヤフ氏の退陣も要求した。エルサレムでも新提案を支持する行進が行われた。
 一方、パレスチナに強硬姿勢を取る極右政党を率いるベングビール国家治安相は1日、ハマスとの合意はイスラエルにとって「完全な敗北だ」と強調した。別の極右政党のスモトリッチ財務相も新提案に反対し、両者は合意した場合に政権を離脱する考えを表明。政権崩壊をちらつかせ、あくまでハマス壊滅を求める姿勢を示した。
 一方、エジプトのメディアは、同国とイスラエル、米国の当局者がカイロで2日、対エジプト境界にあるガザ最南部ラファの検問所再開に向けて協議したと報じた。同検問所は、イスラエル軍が5月初旬に制圧して以降閉鎖され、ガザへの支援物資搬入が滞る原因となっていた。エジプトはイスラエル軍の検問所からの撤退を求めたという。 

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