大統領像を公然と破壊=トランプ氏有罪の意義は―識者に聞く(上) 2024年05月31日 15時23分

キャサリン・ブロウネル 米パデュー大准教授
キャサリン・ブロウネル 米パデュー大准教授

 キャサリン・ブロウネル米パデュー大准教授(歴史学)の話 大統領経験者が刑事裁判で有罪評決を下されるのは、歴史的なことだ。1970年代のウォーターゲート事件でのニクソン元大統領のように捜査対象にされた大統領は過去にもいるが、ニクソン氏は「大統領像」を守るため、違法となりかねない行為を密室で行った。これに対しトランプ氏は全てのスキャンダル、民主主義への積極的な挑戦を「公然」とやってきた。
 今回の裁判は、これまで報道されていたトランプ氏のスキャンダルについて、違法行為を証明する具体的な文書記録が公になった点で意味がある。うわさなどに基づいた「魔女狩り」ではない。
 今後の課題は、事件を踏まえて政治家や有権者、法曹界がどう対応するかだ。資金の運用なども含め、政治活動の在り方が問われる。 

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