「格差是正政権」継続か=女性2候補の争い―2日にメキシコ大統領選 2024年05月31日 14時53分

メキシコ大統領選有力候補のシェインバウム前メキシコ市長(右)とガルベス上院議員(AFP時事)
メキシコ大統領選有力候補のシェインバウム前メキシコ市長(右)とガルベス上院議員(AFP時事)

 【メキシコ市時事】メキシコ大統領選(任期6年)は6月2日、投開票が行われる。実質的な争いは有力女性2候補に絞られ、現政権が着手した格差是正など改革路線の継続を訴える与党・左派政党「国家再生運動(MORENA)」のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が優勢。野党連合のソチル・ガルベス上院議員(61)が追い上げている。どちらが勝利しても初の女性大統領が誕生する。
 地元紙ウニベルサルによれば、支持率はシェインバウム氏が54%、ガルベス氏が34%。中道系「市民運動(MC)」のホルヘ・アルバレス・マイネス氏(38)も立候補している。再選は禁止されており、ロペスオブラドール大統領は出馬できない。
 シェインバウム氏は、最低賃金の引き上げなどを通じて格差の是正に取り組む現政権の路線を継承すると主張。若者向け住宅の建設や年金拡充などを公約に盛り込んだ。
 有権者の関心が高い治安問題に関しても、メキシコ市長在任中に殺人といった重大な犯罪が約6割減ったとして「治安面の実績を示すことができるのは私だけだ」と訴えた。現政権が創設した国家警備隊の強化を主張した。
 これに対し、ガルベス氏は全国的な犯罪の発生率が高止まりしているとして、現政権の治安対策が「失敗した」と強調。最高警備を備えた刑務所の設置などを提案している。
 メキシコでは、他の中南米諸国から違法に入国し、米国との国境に向かう人々が多い。移民問題に対処する手段として、シェインバウム、ガルベス両氏とも米国との連携を訴えている。 

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