米中国防相、台湾で平行線=対話維持は確認―1年半ぶり対面会談 2024年05月31日 14時02分

31日、シンガポールで会談したオースティン米国防長官(左手前から2人目)と中国の董軍国防相(右から2人目)(ロイター時事)
31日、シンガポールで会談したオースティン米国防長官(左手前から2人目)と中国の董軍国防相(右から2人目)(ロイター時事)

 【シンガポール時事】オースティン米国防長官と中国の董軍国防相は31日、シンガポールで会談した。台湾や南シナ海情勢を巡って米中対立が続く中、偶発的衝突を回避するため両軍・国防当局間で対話を維持していく方針を再確認した。ただ、台湾問題などでは、挑発をやめるよう求めるオースティン氏と米国の干渉を非難する董氏の主張は、平行線をたどった。
 米中国防相の対面会談は2022年11月以来、約1年半ぶり。会談は1時間超行われた。中国は台湾の頼清徳総統が今月20日に就任した後、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を実施したばかりで、台湾情勢が議題の中心になった。
 米国防総省と中国国防省の報道官によると、オースティン氏は台湾周辺での中国軍の「挑発的活動」に懸念を示し、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した。これに対し董氏は「台湾問題への米国の干渉」に反対すると表明した。
 領有権を争う中国とフィリピンの船舶が衝突を繰り返している南シナ海情勢も協議。董氏は米国のフィリピンへの中距離ミサイルシステム配備に反対し、米国の関与をけん制した。
 北朝鮮やロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ情勢などについても意見交換した。オースティン氏は、中国がロシアに軍民両用製品を輸出していると問題提起したが、董氏は「ロシアとウクライナの双方に武器を提供しない」と主張。ロシア支援の事実はないと反論した形だ。 

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31日、シンガポールでオースティン米国防長官との会談に臨む中国の董軍国防相(中央)
31日、シンガポールでオースティン米国防長官との会談に臨む中国の董軍国防相(中央)

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