トランプ氏に有罪評決=大統領経験者に初―口止め料事件で米NY州地裁陪審 2024年05月31日 06時12分

30日、ニューヨーク州地裁に出廷したトランプ前米大統領(中央)(EPA時事)
30日、ニューヨーク州地裁に出廷したトランプ前米大統領(中央)(EPA時事)

 【ニューヨーク時事】トランプ前米大統領(77)による不倫口止め料記録改ざん事件の公判で、ニューヨーク州地裁の陪審は30日、トランプ氏に有罪評決を言い渡した。大統領経験者が有罪評決を受けるのは米史上初。返り咲きを目指す11月の大統領選に向けて影響は避けられない。
 評決を受け、判事が7月11日に量刑を宣告する。トランプ氏が問われた罪は最長で禁錮4年が科されるが、初犯や高齢といった条件を考慮され、保護観察や罰金にとどまる可能性がある。
 トランプ氏は有罪でも大統領選に出馬することは可能だが、時間の制約や裁判費用などさらなる負担がのしかかる。トランプ氏は評決後、報道陣を前に「私は無罪だ」と重ねて主張し、「恥ずべき不正裁判だ」と述べた。トランプ氏は直ちに控訴する意向だ。
 起訴状などによると、トランプ氏は2016年大統領選直前、当時の腹心コーエン元顧問弁護士を通じて、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに不倫の口止め料を支払った。コーエン氏に弁済する際、小切手などに「弁護士費用」と虚偽記載したとして、34件のニューヨーク州法の業務記録改ざん罪に問われていた。
 ニューヨーク市民12人で構成される陪審は29日に非公開の評議を開始し、2日目となった30日午後(日本時間31日午前)、評決に至った。34件全てを有罪と判断した。評決には12人全員の意見の一致が必要で、評議は計約12時間に及んだ。
 今回の事件の捜査を指揮した州検察のブラッグ検事は評決後に記者会見し、陪審に謝意を表した。その上で「私たちの仕事は、恐れや偏りなく事実と法に従うことであり、それを遂行した」と語った。 

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