ラファ中心部近くに戦車部隊=イスラエル軍、作戦地域拡大か 2024年05月23日 14時49分

22日、イスラエルの攻撃を受けて損壊したパレスチナ自治区ガザ最南部ラファの家屋(ロイター時事)
22日、イスラエルの攻撃を受けて損壊したパレスチナ自治区ガザ最南部ラファの家屋(ロイター時事)

 【カイロ時事】イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエル軍は22日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファ中心部の人口密集地域の近くまで戦車部隊を進軍させた。ロイター通信が目撃者の話として報じた。
 民間人犠牲者の増加を懸念する米国は大規模地上侵攻に反対しているが、ラファ市外への避難民の大量脱出が進むにつれ、イスラエル軍は徐々に作戦規模を拡大させているもようだ。軍は22日もラファで空爆を続行。ロイターは、今月上旬にラファで「限定的な」地上侵攻を開始して以降、最も激しい規模の爆撃だったと伝えた。
 地上部隊は、当初展開していたラファ東部から大きく西側へ移動。ラファ中心部のイブナ地区の端に陣取っている。住民の一人はロイターに「ドローンやヘリコプター、軍用機や戦車などによるイスラエル軍の攻撃が夜通し行われた」と振り返った。
 ただ、イスラエルの後ろ盾となってきた米国は大規模侵攻はまだ行われていないとの立場だ。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は22日、記者団に「(ラファでの)イスラエルの軍事作戦は、より標的を絞った限定的なもので、市街地中心部で大規模な行動は起こしていない」と語った。サリバン氏は先のイスラエル訪問で、民間人保護を考慮しつつ軍事目標を達成する計画を同国側から提示されたとも述べた。
 ラファ侵攻を巡り、イスラエル紙ハーレツは、住宅地などに広範な被害が確認されており「実際には大規模地上作戦だ」と報道。軍はガザの他地域でも「限定的」と主張しながら作戦を拡大してきた経緯があり、「同様のパターンだ」と指摘した。 

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