総選挙前に野党「内紛」=与党と支持逆転―韓国 2024年02月29日 20時45分

韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表=28日、ソウル(EPA時事)
韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表=28日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】4月10日投開票の韓国総選挙で党勢維持を目指す革新系最大野党「共に民主党」内で、公認候補者の選考を巡り李在明代表への批判が噴出している。「内紛」で同党の支持率が低下する一方、保守系与党「国民の力」の支持率は回復。優劣が逆転した。
 「入党も自由、離党も自由だ」。李氏は2月28日、記者団にこう言い切った。共に民主党では李氏に近い人物が選考で優遇される一方で、李氏と距離を置く人物が排除されているとして、反発した国会議員が相次いで離党した。党が世論調査会社に依頼した候補者の支持率調査を巡り、現職に不利な形で行われたという疑惑も浮上した。
 文在寅政権で大統領府報道官を務めた高※(※は日ヘンに文)廷議員は、不透明な選考を非難し、党の最高委員の辞任を表明。任鍾☆(☆は析の下に日)元大統領府秘書室長はソウルの小選挙区から公認候補として出馬することを目指したが脱落し、「このままでは党は勝てない」と訴えた。
 共に民主党は国会で過半数を握るが、国会は昨年、北朝鮮に不正送金した容疑で李氏の逮捕同意案を可決。同党から大量の造反議員が出た結果で、李氏は党の団結ではなく自身に批判的な議員の排除を優先しているという見方がある。
 一方、国民の力は、前法相の韓東勲非常対策委員長がトップに就いて以降、勢いを取り戻している。韓氏は若年層の女性らに人気が高い。尹錫悦大統領の検察時代からの部下だが、尹氏批判も開陳してみせ、弱点だった「尹氏のアバター(分身)」のイメージを克服したと評価された。
 世論調査機関「リアルメーター」の26日の発表によると、共に民主党の支持率は前週比0.7ポイント減の39.5%。国民の力は同4.4ポイント増の43.5%だった。 

海外経済ニュース